研究概要
「どのように太陽系が形成され、なぜ地球に生命が誕生したのか」という大きな問いに、我々はミュオン非破壊軽元素分析法を武器に挑みます。この方法は、ほぼ微量元素分析には向きませんが、逆に全元素に対して感度を持つという特徴があります。さらにミュオン捕獲反応を利用した、新しい微量元素分析法を開発することにより、ミュオン元素分析法の適用範囲のさらなる拡大を目指します。
太陽系の過去の情報を得るためには、地球外試料の分析(リターン試料、隕石)の分析が重要です。ミュオン元素分析法は、炭素や窒素だけでなく、測定の困難さから重要でありつつもほとんど無視されていた酸素についても、非破壊でバルクな分析値を与えることができます。さらに揮発性が高く、過去の熱履歴を知る上で重要な元素であるフッ素についても、ミュオン捕獲反応を利用した分析法による定量法を開発します。これにより、太陽系の物質進化、物質変成履歴を明らかにします。これらの研究は、日本の次期惑星探査プロジェクトである火星衛星サンプルリターン計画(MMX: Martian Moons eXploration)への展開も期待できます。ミュオン元素分析法による軽元素のバルク分析から、火星の衛星の起源を特定するための基礎研究を行います。

研究組織
研究代表者
- 二宮 和彦(広島大学・教授):ミュオン科学・総括
・https://radichem.hiroshima-u.ac.jp/
研究分担者
- 中村 智樹(東北大学・教授):宇宙地球科学・試料分析
・https://www.esse.epms.es.tohoku.ac.jp/ - 大澤 崇人(JAEA・研究主幹):量子ビーム応用科学・ミュオン、中性子実験
・https://msrc.jaea.go.jp/jp/research/kaiso/ - 吉田 剛(KEK・准教授):放射化学・微量放射線計測実験
・https://www2.kek.jp/arl/about/rsc/index.html




研究協力者
- 邱 奕寰(JAEA):放射線計測・解析・シミュレーション実験
- 寺田 健太郎(大阪大学):地球惑星科学・同位体分析
- 稲垣 誠(京都大学):放射線計測・微量放射線計測


