研究概要
本研究プロジェクトでは、マイナスの電荷を持つ「負ミュオン」が原子核と引き起こす反応を対象として、その構造や反応データをまとめた「ミュオン核データ」という世界初のデータベースを作り上げることを目指しています。
負ミュオンと原子核の反応は、1980年代までは盛んに研究されていましたが、当時の技術的な限界により、多くの謎を残したまま「忘れられた研究」となっていました。しかし近年、日本に世界最高クラスの実験施設が完成したことで、この未知の領域を再び切り拓くチャンスが巡ってきたのです。
負ミュオンが原子核に捉えられると、原子核は「核変換」を起こし、別の原子核へと変化します。私たちは、この過程で放出される粒子のエネルギーや反応確率などを測定し、最新の理論と機械学習を組み合わせて分析します。この研究で得られるデータは、半導体の誤作動(ソフトエラー)対策や、新しい医療用アイソトープの製造、さらには小惑星リュウグウの石の分析といった、領域研究を構成する物質・宇宙・人類に関わる幅広い分野を支える共通の「基盤」となります。私たちは日本が主導するこのプロジェクトを通じて、目に見えないミクロな世界の理を解き明かし、社会の安全や科学の発展に貢献していきます。

研究組織
研究代表者
- 山口 雄司(JAEA・研究職):原子核工学・ミュオン核データ測定、総括
・https://researchmap.jp/eLGfEgCzrOKcMPWtydbA
研究分担者
- 河村 成肇(KEK・特別教授):ミュオン科学・中性子検出器開発
・https://researchmap.jp/narikawamura - 新倉 潤(理研・協力研究員):ミュオン核物理・γ線X線検出器開発
・https://researchmap.jp/niikura - 岩元 大樹(JAEA・研究主幹):原子核工学、放射線遮蔽工学、原子炉工学・ミュオン核データ評価
・https://researchmap.jp/iwamotohiroki - 湊 太志(九州大学・准教授):原子核理論、核データ評価研究・ミュオン捕獲理論
・https://sites.google.com/view/futoshiminato/
・https://sites.google.com/view/kyushu-nucl-th/
・https://researchmap.jp/ftsmnt





研究協力者
- 岩本 修(JAEA・研究主幹):核データ・JENDLとの連携
・https://researchmap.jp/iwamoto.osamu?lang=ja
・https://wwwndc.jaea.go.jp/ - 大塚 直彦(IAEA・Nuclear Data Physicist):核データ・EXFORとの連携
・https://researchmap.jp/naohiko.otsuka/

